本剤は、ヒトプラセンタ酵素分解物の水溶性物質を1管2ml中112mg含有する。ペプシン(ブタ、胃粘膜)、乳糖(ウシ、乳)を製造工程で使用しています。
本剤は、淡黄褐色~黄褐色の澄明な液で、特異なにおいがあります。pHは5.5~6.5、浸透圧比(生理食塩水に対する比)は約1です。
慢性肝疾患における肝機能を改善します。
通常成人では1日1回2mlを皮下又は筋肉内に注射をします。症状によっては1日2~3回注射することができます。
1.慎重投与:アレルギー体質の方
2.副作用:薬効再評価時に実施して臨床試験では、安全性評価対象例273例中、副作用若しくは副作用が疑われた症例は計10例(3.7%)であります。この内、注射部位の疼痛を訴えた方が7例(2.6%)と最も高く、過敏症(発疹・発熱・掻痒感など)注射部位の硬結、女性化乳房、各1例(0.4%)であります。但し、女性化乳房については本剤との因果関係は不明でありました。また、臨床検査値に異常変動の認められた症例はありませんでした。
**1.肝再生促進作用:正常ラット肝臓の70%を部分切除後、本剤を人用量より過剰に投与して肝重量を経時的に対照群と比較した結果、肝再生を有意に促進した。
**2.肝細胞DNA合成促進作用:ラットの初代培養肝細胞を用いたin vitro実験系において、本剤を加えた群は、対照群に比較して有意なDNA合成促進を示した。また、ANITにより急性肝炎を惹起させたラットを用いたin vivo実験系において、肝臓組織を染色し、DNA合成期の肝細胞核の割合を評価した結果、本剤を人用量より過剰に投与した群は対照群に比較して有意にDNA合成促進を示した。
**3.実験的肝障害抑制作用:ANITにより急性肝炎を惹起させたラットを用いたin vivo実験系で、本剤を人用量より過剰に投与した群は対照群と比較して血清中肝逸脱酵素(GPT、ALP、LAP、γ-GTP)及びビリルビン値を顕著に低下させた。また、四塩化炭素により急性肝炎及び慢性肝炎を惹起させたin vivo実験系で、本剤を人用量より過剰に投与した群は対照群と比較して血清中肝逸脱酵素(GPT、GOT)を顕著に低下させ、肝の病理組織学的にも肝障害改善を示した。
**4.抗脂肝作用:四塩化炭素により急性肝炎を惹起させたラットを用いたin vivo実験系において、前もって本剤を人用量より過剰に投与した群は対照群と比較して肝総脂質、肝総コレステロールを有意に低下させた。
**5.肝線維増殖の抑制作用:四塩化炭素を12週間連続投与して生じるラット肝の線維増殖に対して本剤を人用量より過剰に投与したとき抑制作用を有し、また、一旦増殖した間質結合織も吸収することが組織学的に確認された。